目次
Toggle重症アトピー児だった次男の子育て経験から、夜中痒くなるアトピーについて詳しく書いてみました。
痒くて痛くてアトピーで眠れなくて、睡眠不足でさらに症状が悪化・・・
または、起きてる時は意識して掻かないよう注意してるのに、睡眠中に無意識に掻いてしまって症状が改善しない・・・
そんなアトピーの悪循環に陥らないよう、またそんな辛い日々から少しでも脱却できるよう夜中アトピーが痒くなる原因と対策についてお話しできればと思います。
アトピーで睡眠不足にならないために
夜中に痒くなるアトピーの原因
原因①夜間に皮膚から水分が多く失われる
アトピーの人は、皮膚のバリア機能が低下しているので乾燥していると皮膚から失われる水分が多くなります。水分が失われると肌の乾燥が益々進むので、夜中はより痒くなりがちです。
さらに子どもの場合は、尿や汗とは違い、自覚なく気道や皮膚表面から出ていく水分(不感蒸泄量)は、成人の2倍近くだと言われており、また筋肉が少なく体内に吸収されている水分も少ないため、より乾燥しやすく痒くなりやすいです。
原因②夜間は副腎皮質ホルモンが減少するため
夜中眠るための睡眠ホルモン(メラトニン)が出てくるのと反比例で炎症を抑える副腎皮質ホルモンが減少します。
ここで、眠くなると痒くなるというジレンマが発生します。また、昼間にストレスが多かった日は、副腎がかなり疲れているので夕方から痒みが起こりやすくなると思います。
原因③お風呂上がりの乾燥
入浴やシャワーをすると、皮膚の脂分が洗い流され、バリア機能が低下しているため肌内部の水分が蒸発しやすくなるのですぐに皮膚が乾燥してしまいます。
原因④家のカビ・ダニ・ホコリ
アレルギー検査で、カビ・ダニ・ホコリなどに反応ありの検査結果が出た方は、家の中に舞う、目に見えにくい小さなゴミ(カビ、ダニ、ホコリ、花粉など)、このハウスダストによって皮膚が刺激されるとアレルギー症状を引き起こし、湿疹や痒みが出てきます。
夜中の痒みを抑えるための対策
応急処置(冷やす)
痒い所を保冷剤で冷やす。
冷房で温度コントロールする。
私の次男がアトピーで痒く辛い時には、保冷剤をガーゼでくるんで痒い箇所を冷やしていました。
また痒い箇所が広範囲の時には、水で濡らしたタオルを痒いところにあてて落ち着かせていました。
痒い身体は熱を持っているので、何度もタオルを洗い直して冷やしていました。
エアコンの使い方としては、真夏は冷房、梅雨時期は除湿機能を使って冷えすぎないようにコントロールしましょう。
また、エアコン、扇風機、サーキュレータを使用するときには、直接肌に風がが当たらないように気を付けてください。
お風呂上がりの保湿
お湯の温度は、36~40℃にしましょう。
入浴後にほてりを感じる沐浴剤、入浴剤は避けましょう。
体を洗う石鹸、洗浄剤は、低刺激性、低アレルギー性、色素、添加物ができるだけ少ないものを使いましょう。
体を洗うときは、石鹸をよく泡立てて手のひらにのせて洗う箇所に泡を置くだけにしましょう。毎日石鹸を使うと皮脂が失われやすくなるので、石鹸は時々使うのが良いと思います。
基本はお湯洗いで十分ですよ。
入浴後は角層から水分が蒸発するため、早めに保湿しましょう。
部屋の湿度
部屋の湿度を測ってみましょう。
湿度が50~60%に保たれていると皮膚が乾燥しにくいので痒みが軽減されると思います。
寝室が乾燥しているときには、加湿器をお勧めします。
選ぶときのポイントは、加湿器はカビが生えやすいので、お手入れ簡単、タンクの取り外しが可能、タンク容量が多いものがおススメです。
家の気密・断熱
冬は家の室内外の温度差から結露が発生します。
結露がたまるとカビが生えやすくなります。
カビをエサとするダニも増えてしまいます。
家の気密、断熱がどのような状態かチェックしてみましょう。
家のサッシがシングルだと内窓設置の検討を考えてみてください。
ゴールデンタイムに眠る
肌や睡眠に関するゴールデンタイムは一般的に22時~2時だといわれていましたが、最新の研究結果やゴールデンタイムの定義から、ゴールデンタイムは人によって異なると言われているようです。
夜になると体内時計が身体と心を休息状態に切り替えて、自然に眠くなります。
この切り替えに重要なのが、メラトニンというホルモンです。
※メラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用により細胞の新陳代謝を促したり、疲労回復に関わり病気の予防や老化防止に様々な効果を持つと言われています。
(※田畑淳子医師講演会資料より抜粋)
そして、メラトニンは、目覚めてから14~16時間後に体内時計からの指令で分泌されます。
なので、例えば朝6時起床の方は22時ごろまでに就寝できると良いですね。
夜中、無意識に搔かないための対策
手袋
ひどいアトピー児だった私の次男は、小さい頃、何日もかけて治りかけている肌を、夜中に掻きむしって一晩で一気に悪化させることがしばしばありました。
そんな時、綿で作った手袋をはめて寝させていたときがあります。
子どもさんの場合、嫌がらなければ夜中に手袋をするのもよいかもしれません。
掻いたときの肌へのダメージが少なくなります。
余談ですが…いつも掻きむしっている次男の爪は摩擦でいつもピカピカしていました。
湿度・温度
外気温が高くなり、蒸し暑くなる夏場は、室温25~28℃で湿度50~60%が理想とされます。
また、外気温が低く、室内は乾燥しがちな冬は、室温18~25℃で湿度40~50%が最適です。
完璧には無理かもしれませんが、出来るだけ理想の環境を目指しましょう。
重症アトピー児だった次男の経験とアドバイス
重症アトピー児だった次男に、夜に痒くなるのを防ぐため・また夜中に無意識に掻かないようにするために現在も気を付けていることをLINEで聞いてみました。
現在はアトピーが改善している次男ですが、
良い状態をキープするために気を付けていること、
また悪化しないためにやっていること
が、今まさにアトピーで苦しんでいる方の何かの参考になれば幸いです。
・睡眠時間の確保
・夜は早く寝る
・甘い物が欲しい時ほど控える
・お風呂上がりの保湿を十分にする
・寝巻は痒くない素材を選ぶ
・副腎が弱ると痒みが増すのでビタミンC(C1000whithBコンプレックス)を頻回摂取する
・季節の変わり目など悪化するときには我慢せず抗ヒスタミン薬を飲む(眠いけど)
・紫外線を受けないように日焼け止め、日焼け対策グッズを使う
・紫外線を受ける状況の時は、ビタミンB群(ヌクレオBコンプレックス)とビタミンC(C1000whithBコンプレックス)をしっかり飲む
・痒いところは氷などで冷やす
アトピーを改善するための根本的対策
アトピーで苦しい夜の対策として上記のような生活習慣の見直し、環境を整えていくことは大切だと思います。
それと同時に家族旅行に行ったとき、友達と遅くまで遊んだ時など少々環境が変わっても体調が崩れない、翌日元気で過ごせる身体を手に入れるために根本的にアトピーの改善をしていくことも必要だと思います。
まずは自分の身体のことを知りましょう
ぐっすり眠ってアトピーを根本的に改善するためにできることとして、先ずはご自分の体調を知っていただくことが一番だと私は思っています。
眠るためには、眠るための材料(栄養素)が必要です。
詳しい血液検査で、自分に足らない栄養素が分かります。
その後、足らない栄養素を補うことが良い睡眠への近道だと思っています。
先ずは、自分や子どもの身体がどのような状態か知りましょう。
その上で下記の眠るために必要な栄養素が足りているか?
アトピー改善のために必要な栄養素は何か?
それらを理解し、足りない栄養素を補うことが必要です。
血液検査について他の記事で詳しくご紹介していますので良ければご覧ください。
キチンと眠るために必要な栄養素
身体が痒いとぐっすり眠れません。
人間は日中は活動でエネルギーを消費しているので、消費が少ない寝ているときに身体を回復させたり皮膚をなおしたりしているそうです。
それなのにアトピーがあると、寝ているときも痒いので眠たくても寝られなかったり、寝ているときも無意識で掻くので十分な睡眠時間が確保できないため、皮膚を治す時間がありません。
朝になると身体が疲れていたり、夜中に搔き壊した皮膚をみて落ち込んだり、とてもつらくて苦しいです。
眠るためには、身体の機能を正常に近づけていくことが大切になります。
そのためには自分の身体に足らない材料(栄養素)を補うことが重要です。
睡眠には乳製品や大豆製品、かつお節などに含まれるトリプトファンをはじめ、ビタミンB6、ヘム鉄、ビタミンD、カルシウム・マグネシウムなどが十分体の中に取り込めていることがカギになります。
これらの栄養素は、アトピー改善にも大切になります。
睡眠に必要なトリプトファン
睡眠に必要なトリプトファン(食物から補給する必要がある必須アミノ酸)は、脳内で睡眠を促進する神経伝達物質であるセロトニンとメラトニンの産生に必要です。
トリプトファンは乳製品や大豆製品、カツオ節などに豊富に含まれています。
「セロトニン」「メラトニン」合成のためには、ビタミンB群と鉄やマグネシウムなどのミネラルの同時摂取が効果的です。
ビタミンD
ビタミンDの欠乏は、脳内で睡眠を司るセロトニンの産生に関与しています。
ビタミンDが不足すると、セロトニンの産生が低下し、入眠が困難になることがあります。
カルシウム・マグネシウム
分子整合栄養学で、カルシウムは天然の安定剤といわれ痒みで神経が高ぶっているのを緩和してくれると言われています。
マグネシウムは、神経系の興奮性を抑えて筋肉の緊張を緩和し、睡眠を促進するようです。
アトピーの人に共通する足りない栄養素
睡眠に関する必要な栄養素を触れてきましたが、
下の記事では、これまで多くのアトピーの方の血液検査を見てきた私の経験から、アトピーの方に共通する足りない栄養素とそれらが多く含まれる食品や他の摂取する方法を詳しく書いてますので、こちらもチェックしてみてください。
アトピーの人に共通する足りない栄養素とは?
アトピー子育てで睡眠不足なお母さんへ
育児をしてると睡眠不足の状態が続いているのに、アトピー児の子育ては睡眠不足に輪をかけますね。
眠れないと、神経が休まりません。
眠れないと、集中力が低下してエラーが起こりやすいです。
そして、眠れないと身体が休まらず身体のつくり替えができないため病気になるリスクも上がってしまいます。
そして何よりお母さんが不健康だと子どもにとって良いことがありません。
私の場合、重症アトピー児だった次男の子育てで、改善しない日々が何年も続き心身はすり減りヘロヘロでした。
そして今になって一番悔やまれるのが、子どもの可愛い時期の記憶がほとんどないことです。
睡眠不足が続いていると思考能力が低下し、毎日生活していくことが精一杯で、常に頭にもやがかかった状態だったので、昔の記憶が飛んでいたり、子どもたちの表情や仕草を覚えていないのです。
また、私は母として子どもたちの呼びかけに対してどんな表情でどんな言葉をかけていたのかも覚えていないのです。
毎日アトピー児を抱えて頑張っているお母さん、ほんと睡眠不足は辛いです。
子どもさんを見てもらえる時間があったら、自分の時間が持てたら、誰に気を遣うことなく寝てくださいね。
人間の心身はそんなに強くありません。
自分の身体が楽になることで、子どもと家族と楽しい時間が持てます。
遠慮なく寝てください。
お母さんの笑顔が子どものこころの栄養になります。
アトピーに関係なく
夜眠りにくいとされるもの
睡眠で悩まれている方は、多数いらっしゃると思います。
ここからは、アトピーに関係なく生活の中で気を付けていただければと思ったことを書いていきます。
カフェイン
寝る前のカフェインは、睡眠の質を下げると言われます。
カフェインには、覚醒作用があります。
寝る前に飲むと寝つきが悪くなってしまいます。
カフェインを含むコーヒーには、痒くなる成分があるといわれます。
同じようにカフェインを含んでいても玉露や抹茶は、眠れなくなりますが特に痒くなるわけではないようです。
コーラは、カフェイン量は多くないですが、糖分で痒くて眠れなくなります。
あとココアにはカフェインと脳を興奮させる物質が含まれています。
カフェインを寝る前に飲んでも寝られるという方もいますが、眠りの質が下がり、途中で目が覚める可能性があるので、夜のコーヒーやお茶、ココアなどカフェイン入りの飲み物はできるだけ避けましょう。
強い光
睡眠は照明の影響を受けます。
目の中に光が入ると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がストップしてしまうので、夜は照明を下げる工夫が大切になります。
また、部屋の照明は、蛍光灯よりも白熱灯、暖色系の柔らかい色で過ごしましょう。
テレビやパソコン・スマートフォンの画面を光らせるために使われているのがLEDライトです。
LEDライトが放つブルーライトはメラトニンの分泌を妨げるので、睡眠のリズムを狂わせてしまいます。
寝る直前までパソコン作業をしたり、布団の中でスマートフォンを操作したりする習慣のある人は、見直しましょう。
夜間低血糖に注意
毎日のお食事、あっさりした食事が多くなっていませんか?
あっさりしたものは消化の良い食べ物なので、直ぐにお腹が空きます。
例えば、冷やっこ、蒸し野菜、コンソメスープ、また夜は寝るだけなので炭水化物は控えておかずのみを食べている方、気をつけましょう。
お腹が空いてくると、血糖値が下がっていると考えられます。
血糖値が一定ラインより下がると、自律神経の交感神経(頑張る神経)が頑張って身体が緊張状態になって目が覚めるようです。
食事制限が厳しかった次男は、何度も夜中に低血糖を起こし急いでジュースを飲ませたことがあります。
一旦、ジュースで血糖値が上がりますが、急激に上がった血糖値は急激に下がります。なので、
夕食にはタンパク質を摂って血糖値が緩やかなカーブで推移することが大切になります。
歯ぎしり、食いしばり、悪夢も夜間低血糖が起きてる可能性があるそうです。
その他、アトピーの痒みが増す時とは
運動後の痒みの原因と対策
原因
運動によって体が温まると熱をたくさん出します。
そうなると体温を調節して、血管が拡張します。
血管が拡張されると血管の周囲にあるかゆみを感じる神経が刺激されて、かゆみがでると考えられます。
対策
運動前に準備運動をすると、急激に体が温まることを防ぎます。
汗にかぶれて痒みが増すので、汗をこまめに拭きましょう。運動後はすぐに着替えましょう。
できれば、休憩時にも着替えましょう。
身体が温まるとどうしてもかゆみが増すので、搔きたくなったらすぐに保冷剤で冷やしましょう。
かゆみの原因となるヒスタミンを抑えるためにビタミンCを何回も摂りましょう。
帰宅時の原因と対策
原因
保育園、幼稚園、学校、仕事、外出時は気が張っています。
これは緊張したときの頑張る神経の交感神経が優位の状態だと考えられます。
帰宅するとその緊張から解放され、リラックスの副交感神経優位の状態になります。
そうすると、血管が拡張しかゆみがではじめると考えられます。
対策
日常の生活で過緊張にならないようにしましょう。
といっても難しいですね。
子どもさんへの声掛けは「頑張って」ではなく「楽しもう」といって少しでもリラックスさせてあげましょう。
空腹になると身体が緊張してくるので、とくに朝食にタンパク質を摂りましょう。
夕方、お腹が空いてくると身体が緊張状態になるので、昼食にタンパク質や油ものを食べて、出来るだけ夕食まで空腹にならないようにしましょう。
補食が摂れる環境のときは、15時~16時頃にタンパク質を摂りましょう。
私のアトピー子育ての経験では、子どもが帰宅後直ぐにお風呂に入れる準備ができる日には、一休みさせずに直ぐにお風呂に入れ、保湿を済ませ、夏は凍らせたバナナやシャーベット(ビタミンC)を少量食べることで、気持ちが切りかわり痒みが軽減していたように思います。
まとめ
睡眠は体を休めるだけではなく、心身の修復や記憶の整理をします。
眠っている間に身体を成長させたり、疲れをとったり、傷んだ部分を修復したりします。
また、眠るためには眠るための材料(栄養素)が必要になります。
まずは、自分の身体の状態を知ってください。
そして、一日3食タンパク質を中心とした食事を摂り、日中はできるだけ頑張りすぎず、カフェインの飲み物、甘い食べ物を控え、帰宅後は部屋の湿度を保ち、夜には部屋全体の照明を落としリラックスして過ごすことで眠気が現れ、自然に深い眠りに入っていくことができると思います。
痒みが出てきたら、早めに冷やしてくださいね。
翌日、晴れやかに朝が迎えられることを願っています。