アトピー子育て体験記
アトピー子育てに苦しむお母さんへ

アトピーの人に共通する足りない栄養素とは?

湿疹や蕁麻疹が出ると、何か変なもの食べたか考えてしまう癖がついていませんか?
私が子育てしていた時には、多くのドクターがアトピー治療には除去食を勧めていたので、アトピーの悪化は身体に合わないものを食べたからという考えになっていました。
でもよく考えると、食べたもので身体が作られているので、食べるものが足らなければ身体のどこかに不具合が起きますよね。
私は、この当たり前にも思えることが腑に落ちるまでに時間が掛かりました。
この後、私が息子やアトピーの方から学んだことをお伝えしたいと思います。
読んでいただけると嬉しいです。

目からうろこ、血液検査でわかる自分の体

宇野イラスト

アトピーで病院を受診したときにする検査は、アレルゲンを調べる血液検査が多いと思います。そして血液検査の結果で数値の高い食べ物は除去したり、食べ方を気をつけたり、ダニや花粉、動物の毛などに反応している場合は生活環境を整えたり気をつけたりしてできる範囲でアレルギー反応が起こりにくいようにします。
アトピーで受診して、貧血はないか、コレステロール値は低すぎないか、タンパク質は足りているか、ビタミンDの血中濃度はどれくらいあるか、などは調べないと思います。
次男もお決まりのアレルギー検査しかしたことがありませんでした。
そして検査結果によって、除去食が進み、家の中では掃除と洗濯の日々でした。
それでもアトピーは改善されず、苦しんでいるときに詳しい血液検査との出会いではじめて次男の身体の中が透けて見えました。

血液データ②
息子が初めて受けた詳細な血液検査

気にしたことありますか?血液検査の項目数

体調不良で病院を受診したときには、症状に合わせて保険の範囲で血液検査が行われると思いますが、それでは全身状態が分からないので、年に一回健康診断を受けられる方も多いと思います。

その健康診断の検査項目は何項目ありますか?

アトピー症状があっても、身体が疲れやすくても、便秘や下痢が続いていても、眠れなくても、頭痛があっても、判定が「A」の方がいらっしゃいます。A判定だと嬉しいですが、体調が優れないのにA判定になるのはおかしいと思いませんか?A判定に満足して自分は元気だと思うことにする方、A判定だけど体調が優れないのでドクターショッピングされる方がいらっしゃるように思います。これは、血液検査項目数が少なくて身体の状態を読み取れてないA判定だからだと思います。

例えば血液検査項目の「フェリチン」、健康診断の検査項目ではめったに見ません。
身体が炎症しているときに上がる数値です。

健診で検査したとしても、数値が高いと何らかの指摘が入りますが、低値の場合は問題なしとなります。この「フェリチン」は、潜在性の鉄欠乏性貧血の方は低値の数値になります。
一般的に貧血の判断をされるヘモグロビンの数値が基準値に入っていると貧血とは診断されませんが、フェリチンが低値だと身体は貧血と同じ症状を訴えます。
また、タンパク質摂取が少ない方の血液は濃くなっているので、本来の血液データよりも全体的に良い数値がでるのでへモブロビンの値が基準値に入り本来の身体の状態を読み取ることができません。

タンパク質が足りてるかどうか、血液が濃縮してるかどうかをデータから見極めるためには、多項目の血液検査が必要になります。

簡単な健診だと全ての検査項目で10項目くらいのこともあるので、この少ない検査項目で問題なしの結果が出ても私は安心することができません。

分子整合栄養管理士の経験から

私は、アトピーで苦しんでいる次男の身体の中の状態が見えたときの感動から、分子整合栄養学の学びに入っていきました。そして、一緒に子どものアトピーで苦しんでいるお母さんに血液検査の重要性、分子栄養学の学び、身体のしくみ、足らない栄養素と身体の状態の関係などを伝えていきました。次男の改善と並行して、学びを重ね分子整合栄養アドバイザー、分子整合栄養管理士の資格を得て、20年活動しています。

今までに約500名の血液データを見させていただきました。その中には、毎年血液検査をされて経時変化を見られている方が多数いらっしゃいます。

私がお勧めしている検査は、血液・尿・唾液の全69項目で全身の健康状態を可視化します。

血液検査項目に限定すると、健康診断の6.5倍、人間ドックの2.5倍以上もの項目を網羅しています。

分子整合栄養学の優れているところは、血液データで病気を見つけることだけではなく、身体のしくみを知り、分子レベルで生化学的に最適な環境を整えることで、その人のもつ健康の力を引き出すところだと思います。
その健康の力を引き出すために、絶え間なく隅々の細胞に栄養素や酸素を運んで私たちの生命活動を支えてくれている血液を細かく読み解いていくことがとても重要になってきます。
血液は体重の約8%を占めていますので、体重50㎏の女性で約4ℓもの量が体内を流れています。血液中には、タンパク質、アミノ酸、糖、脂肪、ビタミン、ミネラル、ホルモン、老廃物など多くの物質が流れています。これらの物質の量やバランスはホメオスタシス(生体恒常性)で常に一定に保たれていますが、病気やストレス、生活環境、食生活などでバランスが乱れることがあります。血液検査では血液の成分の構成割合等を分析することにより、不調の原因を探る重要な手がかりとなります。

分子整合栄養学では、血液検査の検査数値が高い、または低いことから、どの栄養素が不足しているのか、その原因がどこにあるのかを詳細にみていきます。

アトピーの人に共通する足りない栄養素とは

多くの方の血液データをみさせていただいていると、アトピーの方に共通している点がいくつかみえてきます。そして足らない栄養素も共通しているので、息子の症例でお知らせさせていただきます。

重度のアトピーで栄養不足だった私の息子の場合

息子8歳
8歳の頃の息子

はじめて血液検査をした時の血液データの中からいくつか項目を抜粋しました。

総コレステロール TC  120mg/dl
中性脂肪            TG    43mg/dl
白血球数          WBC  10750万 
赤血球数           RBC       499万
ヘモグロビン     HB    14.1g/dl
ヘマトクリット  HT       43.8%
平均赤血球容積  MCV     88μ3
血清鉄                  FE    52μg
フェリチン        27.2ng/ml
コレステロール、中性脂肪が低値であることからタンパクが不足していることが分かります。
白血球が高値ことから、感染状態であるのでタンパク質、ビタミンCの消費が大きいことが分かります。
赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットは問題ない数値なので、病院では貧血と診断されないと思いますが、平均赤血球容積、血清鉄、フェリチンが低値であることから貧血と同じ症状が現れ、潜在性の鉄欠乏性貧血であることがわかり、身体にタンパク質と鉄が足らないことが分かります。
この時の血液検査結果での栄養アドバイスの優先順位は、タンパク質(ペプタ100)、鉄(ヘム鉄)、ビタミンA(A1000R)、亜鉛(イーストZ)でした。

では、私がこれまでの分子整合栄養管理士・分子整合栄養アドバイザーの経験から言える、アトピーの方に共通する足りない栄養素をまずピックアップし、それぞれについての解説を後述したいと思います。

アトピーの人に共通する足りない栄養素

タンパク質(プロテイン)
アレルギー症状やストレスで消耗が激しい上に、掻き傷があると、そこから体内で栄養を運ぶアルブミンが漏れ出してしまうため常に足らない状態です。

ビタミンA
血液データからは読み取りにくいですが、アトピーのように壊れやすい肌質の場合、丈夫な皮膚、粘膜の維持に必要な脂溶性のビタミンAが足りていません。

ビタミンD
血液検査でビタミンDの血中濃度を調べると、アトピーの方は免疫を正常化しアレルギー症状を改善する作用のビタミンDの血中濃度が低いです。

亜鉛
アトピーの方は、皮膚や粘膜の代謝に関わり、免疫機能を高める作用がある血中の亜鉛濃度が低いです。(血液検査では銅と亜鉛の比でみます)

ビタミンC
炎症があると消費量が多くなります。また、かゆみの原因ともいわれるヒスタミン濃度を抑えてくれます。

ビタミンB群
ビタミンB6は、皮膚科のビタミンといわれるように抗ヒスタミン作用があります。また、代謝ビタミンともいわれ皮膚の新陳代謝を促進します。

アトピーとタンパク質について

何度も書かせていただいていますが、次男は食べ物によっては強いアレルギー反応が起きていたので、タンパク質を食べさせるのにはとても勇気が必要でした。
特に卵、牛乳、乳製品はアナフィラキシーショックが起きていました。食べられる肉、魚も体調をみながら慎重にすすめていました。

何年もアトピーの敵と思っていたタンパク質ですが、アトピーを治すためにはタンパク質摂取が必須だと知り、タンパク質をどのように摂取していくかということと向き合うことになりました。

タンパク質の重要性

人間の身体の60%は水分で、残りの40%のうちの7~8割をタンパク質が占めています。
ということで、タンパク質が身体にとって一番大切な栄養素になります。
もちろん丈夫な皮膚を作る材料もタンパク質です。それが、アレルゲンといわれるものにはタンパク質が多く、アレルギー反応を回避するためには特定のタンパク質を除去することがあります。その結果、タンパク質摂取不足を招き、丈夫な皮膚を作ることができないことに繋がります。
また、心もタンパク質と関係しています。
そして、生体内のすべてのタンパク質は、スピードの差はありますが、日々分解されて(異化)、新しく作り変えられ(同化)ます。このタンパク質の異化と同化の繰り返しによって、私たちの身体や心は常に新しい自分に生まれ変わっています。
体のタンパク質が新しく作り変えられるためには、材料である適量のタンパク質が必要です。
そのためにも、タンパク質を毎日必要量摂ることがとても大切になります。

タンパク質を得るためには

食べたタンパク質は、アミノ酸まで分解されてはじめて吸収可能になります。したがって、摂取したタンパク質をしっかりと消化・吸収するためには、胃腸の状態を良好に保つことが重要になります。先ずは直ぐにできることとしては、よく噛んで食べるということです。
アトピー性皮膚炎の発症は、腸の吸収機能とも関係があると言われています。食事は消化給され体内で利用されますが、食物アレルギーの方がアレルゲンとなりやすいのは、十分に消化されずに吸収されたタンパク質です。食事に含まれるタンパク質や分子量の大きいプロテインは、アレルギーの要因になりやすいです。一方、タンパク質がアミノ酸や小さなペプチドまで分解されていれば、アレルゲンになる可能性はかなり低くなります。
食物アレルギーが心配で、食事から十分なタンパク質摂取が難しい時には、アミノ酸で摂取できるサプリメントを使ってください。身体に必要なタンパク質(アミノ酸)が入っていくと丈夫な身体と心をつくり、皮膚の状態も改善していきます。

アトピーとビタミンDについて

血液検査でビタミンDの血中濃度を調べると、アトピーの方は皆さま低値ですが、ビタミンDの摂取で血中濃度が上がってくると、アトピー症状の改善が得られる方が多くいらっしゃいます。花粉症が改善された方もいらっしゃいます。

ビタミンDの重要性

ビタミンDはカルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保つのに働いています。また最近では、免疫力アップ効果やガンや糖尿病、自閉症、妊娠しやすい身体作りなどに有効だという報告もされています。

ビタミンDを得るためには

人がビタミンDを得るためには、食べ物から摂る方法と、日光を浴びて紫外線にビタミンDをつくってもらう方法、そしてサプリメントで摂る方法があります。

食事

ビタミンDを多く含む食品としては、サケ、マスなどの魚介類に多く存在します。
きくらげなどのきのこ類にも含まれますが、穀類や野菜には含まれておらず、肉類にもそれほど多くありません。

食品中に含まれるビタミンDイラスト
香川明夫,七訂 食品成分表 2020,女子栄養大学出版部,2020.
※参照 医療法人社団 同心会「同心円ニュース」

紫外線

ビタミンD3をつくってくれる紫外線。紫外線の中のUV-B(280~315nm)と呼ばれる光がビタミンD3をつくってくれます。UV-Bは、日焼けの原因になる光です。そして、UV-Bのうち、300mm付近でいちばんたくさんのビタミンD3がつくられます。UV-Bは服やガラスを通れません。ですので、いつも屋内で過ごしたり、外出するときには必ず日焼け止めを塗る人は、いつもビタミンD不足になっているおそれがあります。紫外線(特にUV-A)が皮膚に悪いということも常識となっていますが、日光をおそれすぎずにビタミンD3をつくることのバランスを考えながら生活することは大切です。

東京都内で夏に直射日光を30分浴びると、700~800IUのビタミンDが体内につくられるといわれています(肌の露出度10%)
紫外線は季節によって届く量が違います。その結果、季節によって体内でつくられるビタミンD量も違ってきます。
北半球の緯度の高い地域では、冬季にはオゾン層で紫外線が吸収されてしまうため、私たちまで届く紫外線の量が少なくなります。そのため、冬に夏と同じ時間だけ日光を浴びても、皮膚でつくられるビタミンD3は期待できません。

気象庁HP https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/uvb_monthave_tsu.html

サプリメント

ビタミンDは、出来るだけ食事や紫外線から摂取し、プラスその方に必要なビタミンDはサプリメントで摂取されることが、効率がよく体調改善も実感できると思います。

アトピーとビタミンCについて

ビタミンCのはたらき

コラーゲンを摂るとお肌がプルプルになるイメージがあるように、コラーゲンは丈夫な皮膚を作るため大切です。このコラーゲンは、私たちの身体の中でタンパク質、鉄、ビタミンCを材料としてつくられます。
また、感染に抵抗する力を増大させたり、炎症反応を抑えたり、副腎のホルモンの分泌を促しストレスに対抗するのを助けたりします。

ビタミンCの必要量とは?

日本人の食事摂取基準 (2020年版) にはビタミンCの推奨量が100mg/日 (成人) と記載されています。
しかし、これはビタミンCの欠乏症を予防するために最低限必要な量に過ぎません。
ビタミンCの必要量には個人差があり、 さらに、 その方の状況によっても大きく異なります。 ストレスを受けているとき、風邪を引いたとき、 慢性的な病気のとき、 私たちの身体はビタミンCをたくさん消費します。
またノーベル化学賞を受賞したライナス・ポーリング博士は、酵素の親和性の違いに基づき、ビタミンCの必要量には、20倍の個人差があることを提唱しました。

私の次男は、重度のアトピーが改善した今でも毎日ビタミンCを摂っていますが痒みが出たときには通常摂取量にプラスで頻回摂取をしています。

ビタミンCを摂るために

ビタミンCは調理方法や、保存方法によって損失量が大きく変わります。
下記図では野菜や果物でビタミンC1,000mg摂るのに必要な量と、調理によるビタミンC量の変化を表しています。
結構衝撃的な量が記されていますよね。
いちご134個なんて・・・
必要な量のビタミンCは人それぞれですが、血液検査で必要量の目安がわかったら、それを満たすためにダイエタリーサプリメントも上手に利用しましょう。

ビタミンCを摂れる野菜などのイラスト
※参照 医療法人社団 同心会「同心円ニュース」

アトピーと亜鉛について

亜鉛の重要性

アトピーの方の血液データの特徴の一つとして、亜鉛の血中濃度が低いことがあげられます。アトピー性皮膚炎では、摩擦によって肘や脇にじくじくした湿疹が出やすいです。これも亜鉛欠乏が関係していると言われています。また、ステロイド薬を使うと亜鉛欠乏が助長されることも知られていますので注意が必要です。

下の写真は、私の次男がアトピーのひどかった頃の肘の内側です。その頃は低栄養の状態でジクジクを超えてガサガサでした。

また細胞が1つから2つ、2つから4つへと分裂するときにも亜鉛が必要です。子どもがぐんぐん成長するとき、また新しい皮膚に作りかえるときには亜鉛の必要量が高まります。

アトピーがヒドイときの肘の内側写真

亜鉛を多く含む食品

亜鉛を多く含む食品の代表は、「かき」「牛肉」です。ただビタミンC同様、必要量をまず知り足らない分はサプリメントで補うのが大切です。

亜鉛を含む食品イラスト
※参照 医療法人社団 同心会「同心円ニュース」

まとめ

私たちの身体を作り出しているのは、薬ではなくて栄養です。体内に取り込まれた栄養が細胞の隅々まで行きわたることで元気に過ごせます。
アトピー症状があるということは、身体が必要としている栄養が足りてないことを、症状でサインを送ってくれていると思っています。
アトピーの方の足らない栄養素は想像がつくところがありますが、必要量には個人差があります。
枯れかかったお花に霧吹きで水をかけても元気になりませんが、たっぷりの水をあげると元気になるように、症状改善には少量の栄養摂取ではなく、十分な栄養摂取量が必要になります。
また、詳しい血液検査をすることでご自身に必要な栄養素の優先順位や量がわかります。
私たちの身体に備わっている、自分で自分の身体をなおすシステムを正しく動かすために血液検査で自分の身体を知って、足らない栄養素を摂取していきましょう。

 

もくじ
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