アトピー子育て体験記
アトピー子育てに苦しむお母さんへ

重症アトピーに食事療法は効果あるの?

そもそもアトピー性皮膚炎の原因とは?

アトピー性皮膚炎の定義(概念)は、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」となっています。
アトピーに食事療法は効果あるのでしょうか?
アトピーに悩まれている方は、必ずと言っていいほど気になることだと思います。
私が子育てしているときは、アトピーの原因となる食材を除去することがアトピーを改善するために大切なこととされていました。
しかしその除去食を進めていくうちに、栄養失調になりました。
また、多くの方が通る「玄米菜食」「マクロビオティック」なども取り入れた食事をしましたが、
アトピー改善には結びつきませんでした。

そもそもアトピーの原因は、皮膚のバリア機能がもともと弱い体質やアレルギーを起こしやすい体質などに、食生活の偏りや貧血などが加わっていることが多いように思います。

以下にアトピーの原因を大きく4つに分けてそれぞれについて解説し、アトピーと食事療法について述べていきます。

アトピー原因①アトピー素因

遺伝素因がある人はみんなアトピーになるの?
妊娠時のお母さんの健康状態とアトピーは関係があるの?
目の前で子どもがアトピーで苦しんでいるのをみると、私は答えが欲しくて答えを探していました。

 

遺伝について

アトピっ子を産んだ私は、子どもの時に肘の裏と膝の裏にあせもが出ていました。
皮膚は子どものころから乾燥肌です。
大人になって聞かされた話ですが、私は生後すぐから祖父母に育てられたためミルクで育ちました。
祖母宅に同居していた叔母から「めぐちゃんは卵を食べさせたら顔が赤くなっとった」と聞きました。
私は間違いなくアレルギー体質です。
姉と弟にあせもが出ているのは見たことがないし、二人とも乾燥肌ではないので、何で私だけ?と小さい時からよく思っていました。

両親は二人とも乾燥肌ではないし、アレルギーを持っているようには全く見えませんでした。
私の親戚には、喘息、アトピーの方はいます。

夫はアレルギーはありません。
義父は、喘息、アレルギー、皮膚炎は持っていました。

アトピー素因とはと調べてみると、アトピーとは気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)、アトピー性皮膚炎など生じる免疫的な傾向を持つ状態を示します。
免疫とは細菌やウイルスなどから身体を守るシステムと考えてください。
免疫は普通、細菌やウイルスから身体を守るために働きますが、アトピーの人ではそれが、普通以上に働いてしまい、ダニやハウスダスト、スギやイネ科の花粉や、場合によっては卵白、牛乳に対して、それらに過剰に反応を示して、気管、鼻、眼、皮膚などで炎症を起こす体質を持っており、これをアトピー素因と言います。というような内容になっています。

またはIgE抗体を産生しやすい素因ともいわれます。が、発症するには生活環境も関係してくるので、アトピー性皮膚炎は遺伝するとは言えないようです。

妊娠時のお母さんの健康状態

私が二男を妊娠したときは貧血状態でした。


あと二男が1歳半になるまでの約4年間、夫の両親の家に入り同居していたので、精神的なストレスも抱えていたので、健康状態はよくなかったと思います。


後に、妊娠時のお母さんの健康状態が生まれてくる赤ちゃんの健康と関係があることを知りました。

妊娠中の貧血についての説明図

(田畑淳子医師講演会資料より)
出典:分子整合栄養学研究所

成長期の血液データの特徴

(田畑淳子医師講演会資料より)
出典:分子整合栄養学研究所

アトピー原因②外的要因

アトピーに悪いものって限りなくあります。
汚染された空気、薬が撒かれた土壌、建物の化学物質、車の排気ガス、合成洗剤、化学繊維、植物、ダニ、ほこり、など気になるものだらけです。

ダニ・ハウスダストなどについて

ハウスダストとは、家の中のほこりに含まれる人の身体から落ちた垢やフケ、動物の毛やフケ、ダニのフンや死骸、カビ、細菌、花粉、繊維のくずなど、人目ではほとんど視認することができない小さなゴミのことだそうです。

私はドクターから、次男の身体がダニ、ほこりに反応してるので、掃除をするように言われたことで、一日に数回家の床をはじめ家じゅうのものを拭いていました。

また、絨毯など頻繁に選択できないものは片っ端から処分しました。

アトピー原因③アレルギー反応

私たちの体には「免疫」という病気を引き起こす異物(例えば、ウイルスや細菌など)から体を守る仕組みがあり、
この仕組みが、ある特定の異物(ダニ、スギ花粉、食べ物など)に対して免疫が過剰に反応して、体に症状が引き起こされることをアレルギー反応といわれています。

アレルゲンが口、鼻、目、皮膚などから体に入ると、免疫反応により体内に抗体がつくられ、抗体がマスト細胞にくっつき、
アレルゲンが再度体の中に入り、マスト細胞にくっついた抗体に結合すると、マスト細胞からアレルギー症状を引き起こす化学物質が放出されるそうです。

次男は全てがアレルゲンと思えるほどアレルギー反応を起こしていました。
例えば、換気扇を回しながら卵焼きを焼くとキッチンにいる次男の顔が真っ赤には上がっていました。

アトピー原因④バリア機能障害

茶のしずく石鹸事件をご存じでしょうか?
茶のしずく石鹸で洗顔を行った人が次々に重篤な小麦アレルギーを発症した事件す。2011年に発覚して以来、被害者総数2000名以上出した大事件でした。しかし、この事件をきっかけに医学界には新しい概念がが生まれたそうです。
「食品アレルギーは食べて発症するわけではなく、皮膚からアレルゲンが侵入して発症する」と考えられたようです。
次男の肌は、保湿剤を一日に何度も塗っていましたがカサカサ状態でした。

アトピー性皮膚炎の発症とバリア機能には深い関わりがあると考えられます。
バリア機能とは、その名の通り外界に対するバリアの働きを果たす機能のことで、皮膚の表面にある表皮が主にその働きを担っています。
具体的には、皮膚内の水分が外に逃げないよう保持する役割や、外的刺激が皮膚内に侵入しないよう防ぐ役割があります。
しかし、アトピー性皮膚炎の方の皮膚ではバリア機能が低下しており、皮膚に水分を保てず乾燥し、外的刺激が皮膚内に侵入しやすい状態になっています。
アトピー素因(刺激に対してアレルギー反応を示しやすい状態)を持つ場合に、外的刺激の侵入を許すことで、炎症やかゆみなどが症状として現れると考えられます。
バリア機能が低下する主な原因としては、様々なことが分かってきています。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、「セラミド」含有量の低下が確認されています。
セラミドは、角質層内で水分を保ち、細胞どうしをつなぎとめる働きを持っており、強固なバリア機能の形成には欠かせない成分です。

また、「フィラグリン」の減少が原因の一つということも確認されています。
フィラグリンとは、バリア機能を強固にする機能をもつタンパク質です。
アトピー性皮膚炎の方の何割かは、このフィラグリンの遺伝子異変により、フィラグリンの量がもともと少なく、バリア機能障害を起こしているといわれています。

アトピーの原因とそれぞれの対策

①のアトピー素因については、妊娠時のお母さんは、とにかく栄養を整えましょう。
アトピー素因を持つお母さんからアトピーの子どもが生まれるというのは違うと思っています。
私が知っているアトピーのお母さん方から、アトピーの子どもが生まれてないからです。
正直、お母さんの栄養状態がよくないと、遺伝素因として弱い皮膚で生れてくることはあると思いますが、お母さんが栄養状態を整えておくことで、アトピー素因が発動しないと思っています。

②の外的要因については、あまりナーバスにならず、先ずは出来る範囲で取り組んでいきましょう。
お母さんがナーバスになると、子どもにナーバスが伝染し、過剰な反応が起こることもあります。
出来る範囲で、出来ることをするだけでOK

③のアレルギー反応については、できるだけアレルゲンが体の中に入らないようにしましょう。
体調によってアレルギー反応が出たりでなかったりもあるので、お母さんが一つ一つに過剰に反応しないようにしましょう。

④のバリア機能障害については保湿をしながら防御していくことが大切です。
下着は肌に刺激の少ない綿素材にしましょう。

私もなんとかアレルギーが起きないように工夫しながら生活し、またアレルギーが起きそうなものは除去しながら食事療法で良くなることを期待しながら過ごしていました。

ここからは、アトピーと食事療法について詳しく述べていきます。

アトピーに良い食べ物とは?悪い食べ物とは?

みなさんは食べ物に痒みを引き起こす成分があるのはご存知でしょうか。
この痒みを引き起こす成分をヒスタミンといいます。
「アトピーに良い食べ物」はかゆみを抑える効果があると言われている食品です。
逆に「アトピーに悪い食べ物」は痒みを引き起こすヒスタミンが多い食べ物です。
例えばアトピーに良い食べ物としては、レンコン、人参、あさり、しじみ、わかめ、ひじき、豚肉赤身、さつまいも、玄米、大豆などがよくあげられています。

アトピーに悪い食べ物としては、チョコレート、トマト、そば、いちご、なす、山芋、ラーメン、キウイフルーツなどがあります。
ですが、一般的にこれは良い・悪いとはやっぱり言えません。
一番大事なのは、身体の根本的な栄養素が足りているか?ということです。

これから私の体験談を交えながら、詳しく述べていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎と食事療法について

私がアトピーに対して食事で気を付けていたことと反省点

母乳を飲ませているときは、母親の食べたものと痒みが関係すると知ってからは、アレルゲンとなりそうなものを私が食べないようにしました。
また、ドクターから離乳食開始からアレルギーが起こりやすいものは与えないように止められていたので、普通食になっても除去食が続き無農薬の食材にこだわっていました。

が、このドクターに言われたから、一般的に言われるからにとらわれすぎたことで本来人間は食べたもので身体が作られるという大切なことを忘れてしまっていました。

食事制限・除去食について

ドクターから「お米が悪さをしている」と言われると、私は痒がる息子にお米を食べさせることができなませんでした。
ドクターから、痒みになるもの、アトピーが悪化すると言われたものについては、除去することでアトピーが良くなると信じて次々除去していきました。
その結果、息子の食べられるものはサツマイモ、青菜、さごやし粉になり、症状は軽くなることはなく栄養失調になっていきました。

代替食について

息子の年齢が上がるにつれ、幼稚園のお弁当、行事の食べ物、学校給食と友達と食事をする機会が増えてきます。

見た目だけでもみんなと同じようなものを作ってやりたいと思い、行事食や給食に関しては事前にメニューを聞き、代替食を作りました。
お肉は大豆で代替、ケーキはサツマイモ、米粉、豆乳など使える食材で工夫して作りました。

反省点

食べることでアナフィラキシー症状が出るものに関しては除去することが大切ですが、この飽食の時代、栄養失調になるという考えに至ってない私は、除去食をしている息子の体に十分な栄養が入らないことでどのような弊害が起きるのか!というところに考えがいきませんでした。

除去して摂れない、タンパク質やビタミンミネラルをどうやって確保すればよいかということを考えられなかったのです。

このことは、私にとって悔やんでも悔やみきれない大きな反省点です。

アトピーの食事療法は、きちんと身体の状態を知った上で

身体は食べた物で作られています。
アトピーで生まれてきたということは、丈夫な皮膚粘膜を作ることができなかったと考えられます。
アトピーを改善するためには多くの材料(栄養素)が必要になります。

除去食や偏った食事をしていると良くなる方向とは逆で悪く方向に進むことになります。

先ずは、自分と子どもの身体の状態を知ることがアトピー改善に近づけると思っています。

詳細な血液検査でまずは身体の状態を知りましょう

アトピー性皮膚炎で受診すると、塗り薬が出ると思います。クリニックによっては、IgE抗体やアレルギーの原因になるものの検査をされることもあるようです。
保険でできる血液検査は項目に制限があるので、アレルギーに関するいくつかの項目のみで、身体の状態を知る検査項目はあってもほんの少しの項目だと思います。
身体の状態を知ろうと思うと、かなりの検査項目が必要です。

そこで、自費検査にはなりますが健康診断の6.5倍の検査項目の検査を受けていただくことをおすすめします。
採血の量はティースプーン2杯ほどです。

私は息子のアトピーを治したいと思い、よいと言われることはできる限り取り組み、中国で漢方治療も受けましたが、息子の体の中がどのような状態になっているかを説明してくれた方はいませんでした。

はじめて息子の体の中が透けて見えたのがこの詳細な血液検査です。

自費になりますが、ぜひ血液検査を受けて身体の状態を知っていただきたいと思ます。

血液検査でわかる自分に足りていない栄養素

栄養素タンパク質について

除去食をしてきた息子の血液検査結果をみたドクターから、かなりの栄養欠損状態だと言われました。
長年の除去食、特にアレルギー反応が出やすいと言われるタンパク質の制限が顕著にでた検査結果でした。

そのタンパク質が足りているかどうかをみるための検査項目から、どれくらいのレベルでタンパク質が足りてないかが分かります。
どの数値も低値で、全く足りてない状態でした。

タンパク質は、筋肉や内臓、骨、皮膚、血液、髪、爪などを作っているだけではなく、免疫物質(抗体など)やホルモン、酵素、神経伝達物質などの材料でもあります。

このタンパク質が足りてるかどうかは、アトピーが改善されるかどうか大きなカギとなることをやっと理解できました。

栄養素ビタミンAについて

皮膚粘膜トラブルのある方はビタミンAが不足していると考えられます。

ビタミンAはアトピー改善には大切な栄養素になりますが、足りてるかどうかデータから読み取るのなかなか難しいです。

ビタミンAは、タンパク質のトラックに乗って運ばれるため、タンパク質が足りない状態だとビタミンAが上手く働けません。

タンパク質、ビタミン、ミネラルなど栄養素は、それぞれ協力し合って働いてくれています。

栄養欠損状態は、様々な栄養が欠乏状態ということになります。

栄養素ビタミンB6について

皮膚科のビタミンともいわれているビタミンB6の不足は、血液検査データでは、GOT(AST)、GPT(ALT)の値から推測できます。

お肉を除去していると、ビタミンB6不足はあると思います。

また、ビタミンB6は神経ビタミンともいわれます。

ビタミンBは、単独では効果を発揮しにくく、ビタミンB群としてお互いに作用しながら働きます。

次男も私も、ビタミンB6不足でした。

足りない栄養素を補うための食事療法

血液検査で、足らない栄養素がわかったら、食事の見直しをしましょう。
先ずは、食事の内容と回数、食べる量、そしてカロリーが足りているかをチェックします。

例えば血液検査でタンパク不足、亜鉛不足が考えられる場合

お食事からはタンパク質の魚、肉、豆、豆製品、乳、乳製品、卵など先ずは食べられる食品の摂取量を増やしましょう。

亜鉛は食品でいうと、牡蛎、和牛肩赤身肉、レバー、カシューナッツ、たらこなどになります。

例えば血液検査で、総コレステロールが低値な人の場合

コレステロール値を上げるために脂をとればよいと思われがちですが、タンパク質をしっかり摂っていくとコレステロールが上がります。

お肉、卵、乳製品などのタンパク質が摂れない人でも、身体を作っていく上では、タンパク質が必要になります。

お食事で摂りきれないタンパク質は、良質なサプリメント、アミノ酸で摂取量の確保をしましょう。

定期的な血液検査で、身体の変化を知りましょう

一般的な血液検査データは、基準値より上か下かだけを見ていますが、本来一人ひとり個性があるようにデータにも違いがあります。
基準値に入っていても昨年は下限ギリギリの数値、今年は上限ギリギリの数値だと何かのサインです。

また、データを見ていくときに1項目で判断するのではなく、関連項目を一緒に見ていくことも重要です。

一回だけの検査データより、定期的な検査データがあると経時変化も分かるので、身体の変化に早めに対応できます。

身体の状態、変化を知るためには、多項目の血液検査で、経時変化を追っていきましょう。

食事療法でも足りない栄養素はサプリメントで

血液検査の結果をもとに、生活の見直し、食事の見直しをすることは体調を良くしていくことにつながると実感していますが、頑張っても食事からは健康維持量の栄養を摂取をするのがやっとです。

厚生労働省が推奨する栄養所要量は、欠乏症を防ぐ必要量となっているので、残念ながらアトピーを改善するための量ではないのです。

不足を補なったり、マイナスになっている身体を修復するための材料(栄養素)は、食事のみではまかなえません。

私は、品質の優れた吸収効率の良いサプリメントを摂取することが必要だと思っています。

まとめ

アトピー対策としては、やはり一番に食事のことが気になりますね。

アナフィラキシー症状が出るものは食べられませんが、心身の成長、発達と、栄養状態は大きくかかわっています。


先ずは、詳しい血液検査で身体の状態を知り、食べられるものは少しずつ食べ進めた方が良いと思います。


そして、お食事では足らない栄養素を品質の高いサプリメントで補っていくことで、自分で自分の身体を治す自然治癒力が発揮できます。


私の経験から、正しいアトピーの食事療法の考え方は、どうやって足らない栄養を補っていくかだと思っています。

もくじ
上部へスクロール